まだまだ北風が吹くのは先のことだが、その頃になると食べたくなるのがおでん。家で食ってもよ
し、屋台なんかで食っても絵になってしまう。鍋から立ち上る湯気の向こうに、うれしそうな家族の
顔。「大根がよく煮えてるね~」なんて会話をしながら食べる美味しさ。屋台のおでんから立ち上る
湯気の向こうに、ムスッとした親父の顔。こちらも一人。冬の屋台のおでんには会話はいらない。こ
んにゃくや竹輪を突っつきながらコップ酒をあおり、「ちくしょめー」なんて独り言。おでんには家族団
らんと孤独の二面性があるような気が。
前置きが長くなったが、そんな大好きなおでんに不愉快だった事と、感動した事の思い出がある。
不愉快な話
京都のあるおでん屋。年の瀬の寒い夜、歩きつかれて入った店。年季が入っていて、いかにも老舗
って感じ。カウンターだけの店で3人ほどのお客さんがいた。年配の女将さんがカウンターの中に一
人。とりあえず熱燗とおでんを3つほどたのむ。出てきたおでんは薄味だがなかなか美味い。女将さ
んは常連さんらしき人達と会話がはずんでいる。まあ一人酒なので静かに飲めればいいのだが、
次にネタを注文する時、でっかい芋みたいな物があって「これなんですか?」と訊ねたら、知らんの、
って顔で「えび芋、里芋の王様」のみ。その時の冷たい小馬鹿にした言い方といったら。その後会計
してすぐに店を出たのは言うまでもない。
感動した話
石垣島のあるおでん屋。その夜3件目(多分)に行ったお店。泡盛にしこたま酔って、カウンターのお
客さんと大盛り上がり。おでんも結構美味い!泡盛とおでんも意外に相性がよかった。楽しく飲んで
店を出てもう1件BARに、そこでも楽しく飲んでホテルに帰る途中。電話がない...。どっかで落と
した?さっき行ったBARに行ったがなく、おでん屋はあまりにも酔っぱらっていたため場所が分から
ず。最後の希望をこめて自分の携帯に公衆電話からTELすると、おでん屋の大将が「取りに来るっ
て思ってたから待ってたよ」って、もう夜中の2時頃なのに。場所も丁寧に教えていただき、取りに行
ったらまた飲んでしまいました。そのせつはありがとうございました。いつか石垣に行ったらまた行き
ます。(注)沖縄はおでん屋が多い。
長々とおでんの話でした。
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