当社でする溶接仕事の半分はTIG溶接での仕事です。このTIG溶接とはタングステン・インナート・
ガスの略で、不活性ガスの中でタングステン(電極棒)電極と母材の間にアーク(放電)を発生さ
せ、このアーク熱を利用し母材と溶加材(溶接棒)を溶融させて溶接する方法です。また溶接棒を
使用せず、母材どうしを溶融させて溶接をしたりもできます。この溶接方法は技術を修得すれば、
広い用途で高品質の溶接作業ができます。また母材である金属も鉄・ステンレス・アルミ・チタン・
銅(チタンと銅は私にはまだこれからの課題です)などを溶接できる優れた溶接方法です。
これがTIG溶接のトーチです。ピンク色のノズルから出ている物がタングステン電極棒で、ここから
溶接電流が流れます。(鉄・ステンは直流、アルミは交流)そのとき不活性ガスも同時にノズルから
噴射しますが、これは溶接部を大気より保護するためのガスです。(ガスは主にアルゴンガスで、
ヘリウムやアルゴンガスに水素を少し入れた混合ガスなどもあります。)
これがタングステン電極棒です。タングステンとはスウェーデン語で重い石という意味があるそうで
す。この金属は実際に硬く重く、また金属のうちではもっとも融点が高く(3380℃、ちなみに鉄は1
530℃)そのことから電極棒に適しているみたいです。この金属の用途は他に、電球のフィラメン
ト・ダーツのバレル(手で持つ部分)・切削工具・対戦車対艦船用砲弾など、硬い熱に強いなどの特
色を生かした物に使われているそうです。ちなみにこの金属ほレアメタルの部類に入り(ほとんど
中国で産出)結構高価な物です。
今日はこんな感じでTIG溶接についてのうんちくブログでした。
今日溶接したステンレスの引戸です。厚みが1mmのものですが、TIG溶接ではこんな薄物も対応
できます。ほんと便利な溶接です。
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